アトニン-O(オキシトシン)は、子宮収縮薬といわれる薬の一つです。子宮の筋肉に作用して子宮を収縮させることにより、分娩を誘発したり、子宮の出血を止めたりする作用があります。
しかし、人工的に子宮を収縮する作用がある一方、子宮の収縮が強くなりすぎることなどの副作用・合併症が起こることがあります。
特に注意が必要な重大な副作用と、その副作用について、お母さんが自覚できる症状は以下の通りです。重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のうち、いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが多いともいわれています。
- ショック: 冷汗が出る、めまい、顔面蒼白(そうはく)、手足が冷たくなる、意識の消失
- アナフィラキシー:全身のかゆみ、じんま疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しい
- 過強陣痛(かきょうじんつう):陣痛持続時間の延長、陣痛間隔の短縮、激しい下腹部の痛み
- 子宮破裂(しきゅうはれつ):下腹部の痛み、性器からの出血、冷汗が出る、顔面蒼白、手足が冷たくなる、脈がふれない
- 頸管裂傷(けいかんれっしょう):分娩後の大量の出血
- 羊水塞栓症(ようすいそくせんしょう):息苦しい、出血が止まらない、体がだるい、けいれん、ふらつき、めまい、頭痛
- 微弱陣痛(びじゃくじんつう):陣痛が弱い
- 弛緩出血(しかんしゅっけつ):分娩後の大量の出血
- 胎児機能不全(たいじきのうふぜん):赤ちゃんの胎動が減少または消失する
副作用が出る体の部位毎に整理すると、
全身には、冷汗が出る、ふらつき、出血が止まらない、体がだるい、けいれん
頭には、めまい、意識の消失、頭痛
顔は、顔面蒼白
口やのどは、のどのかゆみ・違和感
胸は、動悸や息苦しさ
おなかは、激しい下腹部の痛み、陣痛が痛すぎる、強すぎる、弱すぎる
手・足には、冷たくなる冷感、脈が触れない
子宮は、陣痛持続時間の延長、陣痛間隔の短縮、陣痛が強すぎる、痛すぎる、弱すぎる
膣からは、大量の出血や持続する出血
赤ちゃんは、胎動が減ったり、なくなったりする
皮膚は、全身のかゆみや、じんま疹
などがあります。
陣痛促進剤をつかって、これらの症状や気になることが起こったという場合には、陣痛促進剤の使い方に問題があった可能性があります。陣痛促進剤アトニンーO(オキシトシン)の使い方や投与量、投与中の観察方法などは、詳しい基準があり、基準通りに使うことが三回しに求められています。気になる症状が出ていたのに、対応してもらえなかったようなケースでは、産婦人科医の薬の使い方に問題がある可能性があるため、早めに気軽に相談してください。