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Q アプガースコアって?

2021年10月08日 | 判例・Q&A

Q&A

アプガースコアは、出生時の新生児の心肺系および神経系の状態を評価し、新生児仮死の有無を判断するための目安になるスケールです。新生児仮死は出生時に呼吸循環不全を呈する症候群ですが、気道確保や保温などの適切な管理が行われないと、新生児の生命予後や神経発達障害などが発現することがあります。新生児仮死の徴候を速やかにとらえられるよう、アプガースコアは、全国的に広く用いられている指標です。

新生児の約10%は分娩時に何らかの呼吸補助を必要とし、新生児の1%未満が、より包括的な蘇生を必要とします。出生時に蘇生を必要とする抑制の原因は数多くありますが、出生体重が1500g未満の場合は蘇生の必要性が有意に増加します。しかし、このスコアは蘇生やその後の治療の指針をもたらすツールではありませんし、個々の赤ちゃんの予後を決定するものではなく、あくまで赤ちゃんの状態を評価するための指標です。

アプガースコアは、新生児の健康状態に関する5つの測定項目で測定します。1)皮膚の色、2)心拍数、3)刺激に対する反応、4)筋緊張、5)呼吸の5つの項目にそれぞれ0から2までの点数が割り当てられます。スコアは生理的成熟度および出生体重、周産期の母体に対する治療、胎児の心肺及び神経学的状態に依存します。5分時のスコアが7~10店であれば正常、4~6点であれば中間、0~3点であれば低値とされます。

アプガースコアの低値には多くの考えられる原因があります。これには予後が不良である重傷で慢性の問題もあれば、速やかに解消でき予後が良好である急性の問題もあります。アプガースコアは単に臨床所見にすぎませんし、診断ではありません。通常赤ちゃんが生まれて1分後と5分後に評価して採点します。1分後のアプガースコアが低くても、5分後正常範囲内であれば一安心ですが、低いままの状態であったり、逆に点数が下がっているという場合は、その後の赤ちゃんの状態に大きな影響を及ぼす可能性もあるので、NICU(新生児集中治療室)での管理が必要になることが多いです。そのため、5分後のアプガースコアが7点未満の場合は、その後もアプガースコアの採点を続けることがあります。正常範囲になるまでどのくらいの時間がかかったか、といいうことも重要なポイントになります。

重症胎児仮死の状態で生まれた赤ちゃんが元気に回復できるかどうかは、1分後から5分後までにアプガースコアが、どの程度改善したかが一つの目安になります。その他にも、アプガースコア以外に出産時の臍帯血(へその緒の血管からの採血検査)の状態なども赤ちゃんの状態を評価するための重要な指標になります。

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