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Q 赤ちゃんの通り道を広げる(頸管熟化処置)って?

2021年10月13日 | 判例・Q&A

Q&A

計画分娩を行う際に、赤ちゃんの通り道を人工的に広げる子宮頚管熟化処置が行われることがあります。計画分娩では入院する当日、内診を行った後、子宮口を広げるための処置としてラミナリア(海草でできている細長い綿棒のようなもの)や、メトロイリンテル(バルーン(風船)を入れて子宮口を開くもの)等の器具あります。

メトロイリンテルを最初から使用することもありますし、ラミナリア(乾燥した海藻でできた棒のような器具)や、ダイラパン(親水性ポリマーという人工素材)をまず挿入して子宮口を開く手順をとるところもあります。

メトロイリンテルはバルーンと呼ばれるように風船のような形をしているのが特徴で、これを子宮頚管に入れ、管を通して生理食塩水を注入し、風船を膨らませることで子宮口を広げていきます。メトロイリンテルはラミナリアなどに比べると挿入が容易でお母さんの苦痛も少なく効果も大きいといわれていますが、他の子宮口の拡張方法に比べて、臍帯脱出の危険が大きいのではないかともいわれており、使用に際しては胎児心拍モニタリング(CTGの観察)をしながら十分な注意が必要となります。これらの器具を取り除く際には、臍帯(へその緒)が一緒に飛び出してしまう状態(臍帯下垂・臍帯脱出)が起こりやすいことも知られています。

特に陣痛を人工的に起こす陣痛促進剤アトニンを併用する際には、赤ちゃんに影響が出る可能性を考えて、器具を挿入してから1時間以上経過してから陣痛促進剤アトニンの投与を開始するなど、その方法について細かく定められています。

計画分娩で出産トラブルになるケースでは、胎児心拍モニタリング(CTGの観察)が行われていないことで赤ちゃんが苦しくなったことを見落とした場合や、臍帯下垂・臍帯脱出に気づかなかったために赤ちゃんが死亡してしまうような場合があります。陣痛促進剤と併用したことで子宮収縮が強くなりすぎるような場合もあります。このような人工的な分娩は、器具や薬を使って行うため、赤ちゃんの状態を慎重に観察しながら行うべきことがガイドラインなどで詳しく定められていて、決められた方法を守らなかった場合は問題になることが多いです。

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