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日本麻酔科学会における産科麻酔の基本的な考え方

2026.07.21

【医療専門】富永愛法律事務所 医師・弁護士 富永 愛 です。
出産のトラブル(赤ちゃんや妊婦さんの重篤な後遺症や死亡など)は当事務所にご相談ください。
実際に産婦人科の医療現場を経験した医師として、「これって本当に正しかったの?」「納得できないけど、どうしたらいいのか分からない」——そんな不安を抱えている方に、医学と法律の両方の視点から、安心できる一歩を踏み出していただけるようお手伝いします。


2025年7月3日日本麻酔科学会が「日本麻酔科学会における産科麻酔の基本的な考え方」を示しました。
そろそろ1年が経ちますが、下に示したようなことは実現できているでしょうか。

1.日本麻酔科学会は「日本の急性期医療の安全に責任を持つ」ことを使命と考えております。

2.現在、Labor analgesia:分娩時鎮痛(無痛分娩)に対する国民の関心と期待が高まっていることを、私たちは重要な医療的・社会的動向として認識しています。これを急性期医療の安全管理の一環と位置づけ、安全な周産期医療の提供に向けて、関係各部門と連携し、積極的に取り組んでまいります。

3.こうした取り組みは、心疾患や脳血管疾患などを合併するハイリスク妊婦に対する医療だけでなく、健康な妊婦が希望する分娩時の鎮痛も含め、すべての妊婦を対象としています。

4.日本麻酔科学会は、安全で質の高い分娩時鎮痛を含む周産期医療が、地域に関わらず提供されるべきであるという理念を持っています。一方で、現時点では地域間や施設間における体制や人員の差が存在することも十分に認識しています。そのため、当面は地域や施設の実情に応じた対応を尊重しつつ、将来的な体制整備に向けた議論と支援を進めてまいります。

5.安全な分娩時鎮痛の実現には、麻酔科医のみならず、産科医、助産師をはじめとした多職種との協調が不可欠です。当学会は、相互の専門性を尊重し、協働する姿勢を重視しています。

6.分娩時鎮痛という麻酔行為を安全に提供するために、日本周産期麻酔科学会、日本産科麻酔学会、ならびに無痛分娩関係学会・団体連絡協議会(JALA)と連携し、今後も建設的な議論を重ねてまいります。

この提言からそろそろ1年が経ちますが、私のところには無痛分娩で監視をしていなかったことで赤ちゃんが死亡する事故や、妊婦さんの救急搬送が遅れた事故の相談が今も絶えません。具体的かつ建設的な議論がどう進んでいくのか、今後も注視していく必要があると思っています。

この記事を書いた人(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。

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