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無痛分娩の正しい知識を知りたくなったら「日本産科麻酔科学会」「JALA」のサイトがおすすめ!

【医療専門】富永愛法律事務所 医師・弁護士 富永 愛 です。
出産のトラブル(赤ちゃんや妊婦さんの重篤な後遺症や死亡など)は当事務所にご相談ください。
実際に産婦人科の医療現場を経験した医師として、「これって本当に正しかったの?」「納得できないけど、どうしたらいいのか分からない」——そんな不安を抱えている方に、医学と法律の両方の視点から、安心できる一歩を踏み出していただけるようお手伝いします。
無痛分娩が幅広く行われるようになり、メリット・デメリットや安全性、危険性などの正しい情報を知りたいと思う方が増えていると思います。
私達のような医療専門弁護士に相談しなければならないような医療ミスが起こってしまったなら、『医療専門の弁護士にミスがあるかどうかを評価してもらえばいい』ということになりますが、そんな悲しい事故に遭う前に、医療ミスに遭遇しないことが一番重要です。
無痛分娩で医療ミスにあわないようにするには、どんな情報を信じて、どうすればよいのか?
信頼できるホームページ
産婦人科の病院やクリニックのホームページは、一般的に、綺麗な部屋やおいしそうな食事のことについては詳しく書かれていますが、無痛分娩の副作用や、医療事故、医療ミスについては詳しく書かれていません。
無痛分娩は怖いものと思われてしまうと妊婦さんが怖がって無痛分娩をやりたがらなくなるからでしょう。
しかし、実際には、無痛分娩でもひどい医療ミスや医療事故は起こっています。
そんな医療事故をたくさん見てきた弁護士からのアドバイスとして、ある程度信頼できる内容が記載されているのは、
「日本産科麻酔学会」や「JALA(無痛分娩関連学会・団体連絡協議会)」のホームページではないかと思っています。
実は、産婦人科の先生よりも麻酔科の先生の方が麻酔のことについては詳しいですし、リスクや危険性についても正しい情報を発信してくれています。
「日本産科麻酔学会」は、麻酔科医の中でも特に出産のときの行う麻酔を専門とする「産科麻酔」の専門家ドクター達の集まりです。
ホームページには、「一般の方へ」の情報提供も充実していて、「無痛分娩Q&A」などには一般の方向けの回答が、分かりやすい用語で書かれています。
例えば、
良く起こる副作用として、「麻酔をした後に、足の感覚が鈍くなったり足の力が入りにくくなるという副作用」。
これは、麻酔薬がお産に関わる子宮への神経と足の感覚や運動を司る神経が近いところにあるからおこるということが、丁寧に説明されています。
麻酔薬の効果は時間と共に消えてゆくので、麻酔薬を中止すれば、次第に麻酔薬の効果は薄れてゆき、一時的な足の感覚や運動の麻痺も和らいでいきます。
その他にも、「尿が出しにくいこと」や「かゆみ」についても、なぜそのような症状が出るのかが細かく説明されています。
医療ミスにつながるような副作用としては「まれに起こる不具合」として紹介されています。
血液中の麻酔薬の濃度がとても高くなってしまう、局所麻酔中毒についても詳しい説明があります。
麻酔の副作用と管理
無痛分娩では、背中から細いチューブを入れて、麻酔薬をそのチューブから入れていきます。
硬膜外腔という無痛分娩用のチューブを入れるスペースには、たくさんの血管があり、妊娠中には、妊娠前に比べると血管がやや太くなる変化が起こるため、チューブが血管の中に入ってしまったり、血管のごく近くに入ったりしてしまうことがあります。
そのことは医療ミスではありませんが、麻酔薬が入っていくと、血管内に麻酔薬が直接入ってしまうことで、耳鳴り、口の周りのしびれ感や、めまいなど、顔や頭の症状が出てくることがあります。これは顔や頭の部分の血管にまで麻酔薬が流れてしまうことで起こります。
軽い症状であれば、麻酔薬の効果が切れるにしたがって症状もなくなっていきます。しかし、麻酔薬が急激に大量に流れてしまうと、脳に流れていって、けいれんを起こしたり、心臓に流れてしまって命に係わる不整脈が起こってしまうことがあります。
そのような症状があったとしても、症状の原因が麻酔薬であるということがわかっていれば、呼吸や、血圧を慎重に観察しながら、麻酔薬の効果が切れるまで命に関わる状態にならないように管理をすればよいことになります。
気づかないまま、呼吸が止まってしまったり、心臓が止まってしまうようなことが起こると、妊婦さんが死亡してしまうというような最悪の事態になってしまいます。
そのため、症状のサインを見逃さないように、麻酔を担当する医師や看護師が観察する必要があるのです。
医師や看護師が万が一の事故のために準備をしているかどうかが、安全な無痛分娩が出来るかどうかの重要なポイントになります。
麻酔の副作用②
もう一つ重要な副作用として、無痛分娩のチューブが、脊髄のある深いスペースに入ってしまうことで、脊髄から脳に麻酔薬が入ってしまう全脊髄くも膜下麻酔(全脊麻:ぜんせきま)という状態に陥ることもあります。
このようなことが起こるのは、無痛分娩のチューブの先端が、体の外からは、どこまで入っているのかを見ることはできない、ということが原因です。
専門家である麻酔科の先生方は、チューブの先端がどこまで入っているのかを確かめる方法として、空気の圧の違いや、麻酔薬を少し投与してみたときの効果などを観察して判断します。麻酔薬をゆっくり、何回かに分けて入れていくことで、万が一、脊髄のあるところまでチューブが入っていれば、急激に強い麻酔薬の効果が出るので、「もしかして!」と気づくことが出来るのです。
そのようなことを何も考えず、一気に麻酔薬をたくさんの量、流し入れてしまうと、一旦入った麻酔薬を抜くことはできないので、麻酔薬の効果が切れるまで、呼吸や心臓の動きを補助して、最悪の場合には人工呼吸や、人工心肺を使って麻酔薬の効果がなくなるまで、待たなければなりません。
麻酔薬によって心臓や呼吸が止まってしまう間、人工的にサポートして、麻酔薬の効果から抜け出すまで支えるということです。
これも気づくのが遅くなってしまうと、心臓や呼吸が止まり、脳に酸素が足りない状態になり低酸素脳症という寝たきり状態になったり、最悪の場合には死に至ってしまうこともあります。
しかし、無痛分娩をするときにはこのようなことも起こる可能性がある、と思いながら慎重に薬を少し入れてみることや、薬を入れた後の症状の観察をすることで、重篤な状態になる前にできる手だてがあります。
薬が効きすぎてしまうことは、万全の体制でも起こる事故ですが、いつ、誰に起こってもおかしくないことです。
だからこそ無痛分娩をする医療施設なら、このような麻酔薬の効きすぎが起こることも予測して備えておく必要があります。
予測していなかったというのは言い訳ですし、対応できるはずのことを早く、適切に行わずに妊婦さんが寝たきりや死亡に至ってしまえば、それは医療ミスだということになります。
産科麻酔の専門医の発信もチェック
産科麻酔の専門家の先生方は『無痛分娩の正しい知識を持ってほしい』という目的で発信しておられる方がたくさんおられます。
無痛分娩の正しい情報を知りたいと思ったら、「産科麻酔」を専門にしている麻酔科医の発信をチェックしてみることもお勧めです。
この記事を書いた人(プロフィール)
富永愛法律事務所医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)
弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。
