産科医療LABOについて
妊娠・出産のトラブル
相談の流れ・費用
instagram
youtube

新着情報

【連載】ファーストクライ第一話を見て

2026.07.09

【医療専門】富永愛法律事務所 医師・弁護士 富永 愛 です。
出産のトラブル(赤ちゃんや妊婦さんの重篤な後遺症や死亡など)は当事務所にご相談ください。
実際に産婦人科の医療現場を経験した医師として、「これって本当に正しかったの?」「納得できないけど、どうしたらいいのか分からない」——そんな不安を抱えている方に、医学と法律の両方の視点から、安心できる一歩を踏み出していただけるようお手伝いします。


ファーストクライ 第一話 「その産声が響くまで、諦めない」

ファーストクライ、実は、産婦人科医療の現実がドラマになる!と放映開始前から期待していました。
第一話、社会的問題がドラマに散りばめられていて、引き込まれました。
真矢ミキさんの「偽善です」が初めから印象的です!都会で起きている産婦人科の現実を、ドラマを通じて知るきっかけになって欲しいと心から思います。

法律事務所のスタッフ皆で見逃し配信視聴しました。が、医療ドラマを見ると、やはり突っ込みどころが多すぎて富永が黙って見ていられず、ついつい突っ込みながら、先回りしてしまう展開になってしまいました。

「会議室にいたあの沢山の産婦人科医に何故、すぐ連絡しないのか!」

破水した水が、きれいなエビアンみたいな水で「さすがにそこまできれいな水か?!」

岡部たかしさん演じる藤堂先生は、もっとクールな仕事ぶりにしてほしかったです。
出来る麻酔科の先生は、血が滴るより前に、患者のバイタルサイン(血圧や脈拍の動き)で出血量を予知し、コントロールし、松岡聡さん演じる専攻医に指示を飛ばすでしょ!とか気になって気になって・・・
クールな麻酔科の先生は、きっとドラマを見ておられたら「輸血指示のタイミング遅すぎでしょ!」と突っ込んでいるだろうなぁと思います。
頭痛とくれば、妊娠高血圧症候群かHELLP症候群で子癇発作を起こす展開か?と思ったら、痙攣には至らず。手術台の上で、心肺停止型羊水塞栓のような心臓の急停止。
さぁ、心マで戻ってくるよ!緊迫したシーンに、「ほーら戻ってくるよーみててーほら!」みたいになってしまいます。
心停止下直後、あのタイミングでも妊婦さんの心拍が戻ってこなければ、それは心肺停止型羊水塞栓しかありえない。ほらほら、VF(心房細動)が出てきた!
死をさまよった妊婦さんが戻ってくるシーンは、あぁ、本当にドラマで良かったと思ってしまいました。

ドラマでは戻ってきてくれた命。でも、実際の医療事故では戻ってこない・・・

相談に来られる方々は実際に突然に奥さんや赤ちゃんを亡くしています。
そしてドラマのようにドクター達は寄り添ってくれず、取り残されたご家族は、誰にも手を差し伸べてもらえず。
病院からは誠意を持った説明もされず言い訳に終始して「自分たちは何も悪くない」という冷たい手紙を送られてくる。

ドラマと違う、それが現実です。

常位胎盤早期剥離のテーマも、もっと深く掘り下げて欲しかったです。
今、実際に、神奈川県や愛知県のご家族と一緒に、常位胎盤早期剥離に気づいてもらえず、赤ちゃんが脳性麻痺になってしまったケースの交渉をしています。一つは、交渉でクリニックが責任を認めず、裁判になっています。
常位胎盤早期剥離が自宅で起こった時に、クリニックや病院から「異常な痛みや出血があったら連絡して!」といわれていたのに、行った先の病院では長時間医者が見に来ないまま放置されてしまったり・・・
ドラマではみんなで無事に助けてくれていましたが・・・あの場面で一人でもメンバーが欠けて、妊婦さんが亡くなったり、赤ちゃんが産声を上げないまま障害を残していれば、医療ミスです。

真矢ミキさん演じる神谷院長は、本当は・・・など色々邪推しながら最後まで、楽しませていただこうと思います。
貧富の差や産婦人科クリニックの現実など、社会問題の視点をたくさん盛り込んでくれると期待しています。これからが楽しみです。

日々、現実に起こっている産婦人科病棟で起こる医療ミスの相談を受けていると、医師がたくさんいる東京や埼玉、千葉、神奈川のほうが医療ミスが起こってしまっていることに衝撃を受けます。
地方の病院のほうが、それぞれの医療機関の立ち位置が明確で、役割分担できているのかもしれません。
地方では個々の医師や助産師の知識や技術不足による見落としが起こる。
しかし都会で医療ミスが起こっていないかというと、たくさんの医療従事者が、「きっと誰かが何とかしてくれる」という感覚になり、医療機関同士、医師同士、医師助産師間で、顔が見えない関係のまま、連携が取れていないために起こる、連携ミスによる医療事故が起こっています。
それぞれの医療機関にいる医師の技術や能力は高いのに、連携が出来ていないことで、赤ちゃんや妊婦さんが亡くなってしまう・・・先日も、都道府県の境界にいる妊婦さんが千葉にも東京にも助けを求められず・・・という問題が起こっています。

今も、医療事故は実際に起こり続けています

当事務所に相談に来られる方は、医療従事者や医療関係者が圧倒的に多いですが、それは、自分たちや家族が、「これはミスではないか!」と気づくことが出来るからだと思っています。
そんなことに気づくことすらできず、ドクターに感謝しなければならないと思い込んでいる方は本当に多いのです。
もっと早くに相談してくれたら!と思うことも日常茶飯事です。
ドラマ、ファーストクライを見て「もしかして事故だったのではないか・・・」そんなことに気づくきっかけになってくれたらと思います。

患者側の医療弁護士として、今後も突っ込みながら楽しもうと思っています。
前田敦子さん演じるコンシェルジュが発する「本物のセレブは心の広い方です」というセリフには希望が暗示されていました!
今後も期待しています。

第二話≫

関連する記事

この記事を書いた人(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。

相談のお申し込み