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赤ちゃんが大きすぎる(巨大児)といわれたら?

2024.03.12

富永愛法律事務所 医師・弁護士 富永 愛 です。
司法試験に合格し、弁護士事務所での経験を積んだ後、国立大医学部を卒業し医師免許を取得
外科医としての勤務を経て、医療過誤専門の法律事務所を立ち上げました。
実際に医療の現場を経験した医師として、法律と医学の両方の視点から医療問題について発信します。

巨大児とは

見た目には異常がなく、また生まれたときの週数にも関係なく、出生体重が4,000g以上の赤ちゃんのことをいいます(4,500g以上の場合は超巨大児といいます)。

原因

原因としては、遺伝因子と子宮内環境といわれています。巨大児は対称性巨大児非対称性巨大児の2つに分類されます。

対称性巨大児は、お父さんやお母さんの遺伝的な結果で生じるものです。正常な子宮内環境下で発育するタイプで、赤ちゃんが大きい以外に異常はみとめられません。

非対象性巨大児は、お母さんが糖尿病や妊娠糖尿病など、何らかの糖尿病にかかっている場合が多く、血糖コントロールが万全でないケースに多く起こります。お母さんが高血糖な場合、胎盤を通して多量のブドウ糖が赤ちゃんに移行するため、赤ちゃんは血糖調節のためインスリンホルモンを多量に分泌して、これが体重増加に関係して巨大児になるといわれています。呼吸不全や心臓、肝臓、肺など内臓に腫大が多く見られるため、お母さんに糖尿病がある場合には十分に注意する必要があります。対称性に比べて非対称性の方が高リスクで、新生児に何らかの症状が出やすいことも特徴です。

赤ちゃんが大きいことによるリスク

 巨大児の場合、分娩に時間がかかるなどの難産になりやすいだけでなく、会陰裂傷や弛緩出血などの合併症も起こりやすくなります。また肩甲難産(赤ちゃんの肩がお母さんの骨盤の一部に引っかかってしまって出てきてくれなくなる)も多く起こり、赤ちゃんに鎖骨骨折や腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)なども生じることが多いので、高リスクな出産となります。そのため巨大児であることがわかっていれば事前に帝王切開での分娩を選択することもあります。

状況に応じた管理が必要です

 巨大児の予防にはお母さんの妊娠中血糖のコントロールが重要で、食事療法や運動も大切です。しかし、お母さんの病状によっては、運動を控える必要があるケースも有るので、主治医の指示に従って糖尿病の管理をする必要があります。

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この記事を書いた人(プロフィール)

富永愛法律事務所
医師・弁護士 富永 愛(大阪弁護士会所属)

弁護士事務所に勤務後、国立大学医学部を卒業。
外科医としての経験を活かし、医事紛争で弱い立場にある患者様やご遺族のために、医療専門の法律事務所を設立。
医療と法律の架け橋になれればと思っています。

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