帝王切開後の血栓塞栓症 - 産科医療LABO
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帝王切開後の血栓塞栓症

切迫早産などを含めると、妊娠・出産による合併症は全妊産婦の50%以上に発生すると言われています。
それだけ多くのトラブルが起こりやすい、妊娠・出産。
ここでは重篤化すると危険なお母さんに起こるトラブルを紹介します。

帝王切開後の血栓塞栓症

どんな病気?

血栓塞栓症とは、血管の中で血液のかたまりができ、血管がつまってしまう(血液の流れを止めてしまう)病気です。エコノミークラス症候群とも呼ばれ、太ももやふくらはぎの筋肉の層にある静脈に血栓ができ(深部静脈血栓症)、その血栓が何らかの拍子に外れ肺に到達して詰まると、肺塞栓症を引き起こします。肺塞栓症を起こすと、心肺停止を引き起こし、命を落とすこともある疾患です。


帝王切開後の血栓塞栓症は、経腟分娩に比べて7~10倍の発症率となり、血栓塞栓症の約4~5%が肺塞栓症につながると言われています。

どんな症状?

血深部静脈血栓症の場合、足(特にふくらはぎ)の腫れ、むくみ、痛み、しびれ、血栓部分の皮膚が炎症し赤く腫れるなどの症状が見られます。ふくらはぎを掴むと痛かったり、脱力感や麻痺を感じる場合もあります。
血栓が肺に到達して、肺血栓症を発症した場合は、突然の息切れ、呼吸困難、胸痛、失神などが現れます。

なぜ起きるの?

血栓塞栓症は血流が悪い状態が長時間続いた場合に、足の静脈に血栓(血の塊)ができることによって発生します。帝王切開の手術後は通常の分娩に比べると、ベッドの上で安静にする時間が長く、体を動かすことができなくなるため血流が悪くなります。それに加えて出産時は出血から母体を守るために、自然に血液の凝固機能が高まる性質があるので、血栓ができやすい状態になっています。そのため出産後6週間は特に血栓塞栓症の発生リスクが高くなると言われています。

予防する
ためには
どうすれば
いいの?

主に弾性ストッキングなどを着用し、足を圧迫することで血液が滞りにくい環境を作ります。また出産後や帝王切開後は、痛みや疲労などでベッドで横になりがちですが、寝てばかりいると血栓塞栓症の発症リスクを著しく高めてしまいます。主治医からのOKが出たら、体を動かしたり、歩くようにしてください。

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