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胎便吸引症候群

生まれたばかりの赤ちゃんは免疫力が弱く、体のつくりも未熟なため、様々な病気にかかりやすいです。
また、生まれるまでの過程においても病気を発症することがあります。
ここでは、赤ちゃんに起きる、重症化すると危険な症状や、脳性まひにつながる可能性のある病気を中心に紹介します。

胎便吸引症候群

どんな病気?

胎便吸引症候群とは、赤ちゃんがお腹の中にいる時に、一時的にストレスがかかるなどして胎便が羊水の中に出てしまうことがあります。その胎便を含んだ羊水を赤ちゃんが吸い込んでしまうことで胎便吸引症候群を発症します。生まれた時に胎便が気道を塞いで呼吸困難となったり、胎便が肺に入ることによって肺炎を起こしたりします。

なぜ起きるの?

臍帯(へその緒)が圧迫されたり、予定日を超過して胎盤の機能が低下したりと、様々な要因で赤ちゃんがお腹の中で酸素が足りない状態(低酸素状態)となると、羊水の中に胎便を出すことがあります。また、赤ちゃんは羊水の中にいるにもかかわらず、酸素を取り込もうと呼吸をしようという反応をみせます。その時に羊水に混ざった胎便を吸い込んでしまうことが胎便吸引症候群の原因になります。
胎便が気道に入ると、気道が塞がれてしまうことがあります。そして肺に入った胎便が炎症を起こし、肺炎となると、肺に存在するサーファクタント(肺で分泌される界面活性剤)と呼ばれる物質が壊れてしまいます。肺サーファクタントは呼吸をするためにとても重要な物質のため、正常に分泌されないと、呼吸障害が発生します。

どんな症状?

生まれた時に呼吸障害を認めます。呼吸が速い、うなり声をあげる、陥没呼吸(肋骨と肋骨の間がへこむ)、チアノーゼ、肺炎などの症状が起こることがあり、生まれた時の羊水が
胎便により濁っていたり、赤ちゃんの皮膚や臍帯に緑色の胎便が付着していることによって胎便吸引症候群ではないか、と考えることになります。

どんな治療を
するの?

気道が塞がれている場合は、吸い込んだ胎便を吸引することが必要です。
そして、酸素の投与、呼吸の管理をします。また、人工の肺サーファクタントを気道に直接投与して、気管内の洗浄を行い、他に合併症が起こっていないか観察します。お腹の中で受けたストレスの原因が細菌感染だと考えられるような場合もあり、抗菌薬を投与することもあります。

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