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新生児低血糖症

生まれたばかりの赤ちゃんは免疫力が弱く、体のつくりも未熟なため、様々な病気にかかりやすいです。
また、生まれるまでの過程においても病気を発症することがあります。
ここでは、赤ちゃんに起きる、重症化すると危険な症状や、脳性まひにつながる可能性のある病気を中心に紹介します。

新生児低血糖症

なぜ起きるの?

新生児低血糖とは生まれたばかりの赤ちゃんの血液中の糖分(ブドウ糖)が少なくなること(血糖値が低い状態)をいいます。正常な赤ちゃんは生まれた直後(生後1~2時間)には血糖値が下がり、その後、徐々に上昇して生後2~3日で安定するのが一般的です。このような出生直後に生理的な変化としてみられる血糖値の低下は、赤ちゃんが生まれたと同時に母体からのブドウ糖の供給がストップすることに関係しています。赤ちゃんは、お母さんのおなかにいる間は胎盤を通じてブドウ糖などの栄養分をもらっていますが、出生後は栄養分の供給がなくなるので一時的な血糖値の低下(一過性の低血糖症)が起こりやすいのです。
また新生児低血糖は、お母さんの血糖値が高い(糖尿病)など母体の状態が原因で発症することもあるので、予防のためには妊娠中にお母さんの血糖値が高くないかを調べておく必要があります。

どんな症状?

新生児低血糖では、元気がない、振戦(震え)、無呼吸や多呼吸などの呼吸異常、泣き声の異常(甲高い泣き方)、けいれん、頻脈、多汗、チアノーゼ、哺乳不良などの症状が現れることがあります。明確な治療の基準は定められていませんが「血糖値<50㎎/dl」が治療を開始する一つの目安となっています。

新生児低血糖
には種類が
あるの?

新生児低血糖は①一過性低血糖と②持続性低血糖の二種類に分類されます。


1.一過性低血糖
低出生体重児や早産、胎盤機能不全などにより同じ在胎週数の赤ちゃんよりも小さく生まれた在胎不当過少児(SGA児)は、体に蓄えられたグリコーゲンが少ないために糖分を作り出すことができず低血糖となることがあります。
一過性低血糖の原因の一つである、高インスリン血症はお母さんが糖尿病の場合に多く起こります。妊娠中にお母さんが糖尿病にかかっていて高血糖になると、お腹の赤ちゃんも高血糖となります。正常の血糖値にしようと赤ちゃんの体からインスリンがたくさん出て、その状態で生まれると、体に残っている大量のインスリンの作用で血糖を下げ過ぎてしまうのです。


2.持続性低血糖
持続性低血糖とは低血糖の状態が持続している場合や、何度も低血糖を繰り返す場合のことをいいます。遺伝的な病気が原因となっている場合もあり、早急に適切な治療が行われないと低血糖による神経後遺症を残して、発達遅滞やけいれん、脳性まひにつながる可能性があります。

どんな治療を
するの?

ブドウ糖の静注、経腸栄養が行われます。
低出生体重児や、お母さんに糖尿病の持病があるなど、高リスクの赤ちゃんに対しては、予防治療が行われることがあります。

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